複利取引でメジャーな取引というと、積み立て投資信託でしょうか。
ファンドで得られる配当金を出金せずに、配当金もファンドの購入費用にして、買い増しをする金融商品です。
価格変動が有るため、短期的には元本割れする場合も有りますが、20年から30年程度の長期間での運用を考えると、銀行に預けるよりは良い利回りになると言われています。
年配の方よりは、長期間運用できる若い人に有利な投資方法です。
今回はFXトレードでの複利運用について書いて見たいと思います。
FXトレードの複利運用のパワー
天才学者のアインシュタインが”複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う”と言うほど複利はパワフルなものです。
では通常のFXトレードと何が違うのでしょうか?
単利取引の場合
単利取引は資金を固定し利益を得る方法です。
取引で得た利益を出金し、常に一定の資金で取引します。
FXで例えると、取引する使用する資金を10万円、レバレッジ10倍に固定し、コツコツとトレードして得た利益は月末に出金するような感じです。
この取引方法の良い点は、予測できない値動きが有った時に損失を10万円に限定し、得た利益を失わないことです。
複利取引の場合
複利運用は得た利益を、取引資金に加算して取引します。
つまり、取引資金が増えるため、レバレッジを固定して取引する時は、取引ロットを増やしながら取引を行います。
先程の例でたとえてみます。
資金10万円で取引を初め、ドル円の為替レートが100円だった場合
資金が10万円レバレッジ10倍は0.1ロット
5万円の利益が出たとします
資金が15万円でレバレッジ10倍は0.15ロット
5000通貨プラスして取引をします。
資金が増えると取引量も増えるため、一回で得られる利益が増加します。
そうすると、理論上では加速度的に資金が増えていきます。
図で見ると下のグラフのようになります。

複利運用をシミュレートして夢を見る
始めは単利取引とさほど差はないですが、時間が立つほど圧倒的に複利取引の方が利益を伸ばしてきます。
それでは資金10万円、レバレッジ15倍、利確10pipsの表を見てみましょう。
日数 | 枚数 | 利益 | 資金 |
1日 | 1 | ¥1,000 | ¥101,000 |
2日 | 1 | ¥1,000 | ¥102,000 |
3日 | 1 | ¥1,000 | ¥103,000 |
4日 | 1 | ¥1,000 | ¥104,000 |
5日 | 1 | ¥1,000 | ¥105,000 |
6日 | 1 | ¥1,000 | ¥106,000 |
7日 | 1 | ¥1,000 | ¥107,000 |
8日 | 1 | ¥1,000 | ¥108,000 |
9日 | 1 | ¥1,000 | ¥109,000 |
10日 | 1 | ¥1,000 | ¥110,000 |
11日 | 1 | ¥1,000 | ¥111,000 |
12日 | 1 | ¥1,000 | ¥112,000 |
13日 | 1 | ¥1,000 | ¥113,000 |
14日 | 1 | ¥1,000 | ¥114,000 |
15日 | 1 | ¥1,000 | ¥115,000 |
16日 | 1 | ¥1,000 | ¥116,000 |
17日 | 1 | ¥1,000 | ¥117,000 |
18日 | 1 | ¥1,000 | ¥118,000 |
19日 | 1 | ¥1,000 | ¥119,000 |
20日 | 1 | ¥1,000 | ¥120,000 |
1ヶ月 |
初めの一ヶ月は単利取引と同じです。
そして一年後はどうでしょうか
日数 | 枚数 | 利益 | 資金 |
221日 | 18 | ¥18,000 | ¥1,345,000 |
222日 | 18 | ¥18,000 | ¥1,363,000 |
223日 | 19 | ¥19,000 | ¥1,382,000 |
224日 | 19 | ¥19,000 | ¥1,401,000 |
225日 | 19 | ¥19,000 | ¥1,420,000 |
226日 | 19 | ¥19,000 | ¥1,439,000 |
227日 | 20 | ¥20,000 | ¥1,459,000 |
228日 | 20 | ¥20,000 | ¥1,479,000 |
229日 | 20 | ¥20,000 | ¥1,499,000 |
230日 | 21 | ¥21,000 | ¥1,520,000 |
231日 | 21 | ¥21,000 | ¥1,541,000 |
232日 | 21 | ¥21,000 | ¥1,562,000 |
233日 | 21 | ¥21,000 | ¥1,583,000 |
234日 | 22 | ¥22,000 | ¥1,605,000 |
235日 | 22 | ¥22,000 | ¥1,627,000 |
236日 | 22 | ¥22,000 | ¥1,649,000 |
237日 | 23 | ¥23,000 | ¥1,672,000 |
238日 | 23 | ¥23,000 | ¥1,695,000 |
239日 | 23 | ¥23,000 | ¥1,718,000 |
240日 | 24 | ¥24,000 | ¥1,742,000 |
12ヶ月 |
10万円で初めた取引が、あっという間に1,742,000円と17倍以上の資産になっています。
ちなみに同条件の、単利取引の一年後の資産は340,000円です。
表で見てみると、こんな感じです。
日数 | 枚数 | 利益 | 資金 |
221日 | 1 | ¥1,000 | ¥321,000 |
222日 | 1 | ¥1,000 | ¥322,000 |
223日 | 1 | ¥1,000 | ¥323,000 |
224日 | 1 | ¥1,000 | ¥324,000 |
225日 | 1 | ¥1,000 | ¥325,000 |
226日 | 1 | ¥1,000 | ¥326,000 |
227日 | 1 | ¥1,000 | ¥327,000 |
228日 | 1 | ¥1,000 | ¥328,000 |
229日 | 1 | ¥1,000 | ¥329,000 |
230日 | 1 | ¥1,000 | ¥330,000 |
231日 | 1 | ¥1,000 | ¥331,000 |
232日 | 1 | ¥1,000 | ¥332,000 |
233日 | 1 | ¥1,000 | ¥333,000 |
234日 | 1 | ¥1,000 | ¥334,000 |
235日 | 1 | ¥1,000 | ¥335,000 |
236日 | 1 | ¥1,000 | ¥336,000 |
237日 | 1 | ¥1,000 | ¥337,000 |
238日 | 1 | ¥1,000 | ¥338,000 |
239日 | 1 | ¥1,000 | ¥339,000 |
240日 | 1 | ¥1,000 | ¥340,000 |
12ヶ月 |
こういったシミュレートしているときが、一番楽しいですよね。
なぜか希望が湧いてきます。
上の表はFX複利運用計算シミュレータで出した為替レート107円の時のシミュレートです。
みなさんも試して夢をみて見ませんか?
FXトレードの複利運用の危険性
上では威勢のいいことを言っていますが、現実はそんなに甘くは有りません。
まずシミュレートした結果には、負けトレードが入っていません。
複利取引で危険なのは、取引量が多くなった時は、損失も大きくなると言うことです。
リスクとリターンは表裏一体です。
複利運用の試算表に通り、一日10pips取り続けることの難しさを、トレードを実体験している人なら知っていると思います。
複利運用は夢が有りますが、机上の空論だと言うことを忘れてはいけません。
複利運用は無理をせず自分自身のペースで増やす
複利運用は机上の空論ですが、目標にはなると思います。
無理せずに、負けを受け入れながら、勝率を上げていき、少しずつ複利運用していけば、おのずと資産が増えていきます。
資金が増えればレバレッジを下げて取引しても、それなりのロットで取引できるため、資産上昇率は下がるかもしれませんが、比較的に安全に取引ができるようになるのではないでしょうか。
まとめ
しかしよく考えてみると、複利運用は自然とやっているのかもしれません。
資金が増えればロットを上げて取引しますし、負けが続いている時は少しロットを抑えて取引をします。
みなさんもそうかも知れません。
ただ資産を増やすためにも複利運用の資産表などは参考になると思います。