MT4は優秀なトレードソフトで、たくさんのFX業者に採用されています。
やはり特徴なのは、インジゲーターの豊富さと自動売買EAが充実している所が人気なんだと思います。
MT4のEAは有料な物が多いですが、無料のEAも数多く有ります。
今回はMT4,MT5の公式サイトのMQL5.comから無料で利用できる、BF GRID MASTER EAをフォワードテストしてみましたのでご紹介したいともいます。
無料のEA、BF GRID MASTER EA
BF GRID MASTER EAはMQL5.comで公開されている無料EAです。
通貨ペアが指定されていて、GBP/USD専用で15分足を指定したロジックが組み込まれたEAです。
無料版ではロットの変更はできず0.01ロットに固定されています。
GBP/USD専用EAとなっていますが、USD/JPYやEUR/USDなどの、他の通貨ペアでも一応動きます。
名前の通り、グリッドタイプのEAですが、トラリピのように指定した値幅間で繰り返し取引をするロジックでは有りません。
どちらかというと、ナンピンロジックに近い動きをします。
詳しいエントリーロジックは分かりませんが、MAとオシレーター系のテクニカル指標を使っているようで、条件を満たすとエントリーをします。
そしてエントリとは逆方向に値が進むとナンピンを始めます。
新たにポジションを取る時は、ポジションごとに0.01ロットずつ足したポジションを取ります。
初回エントリーは0.01ロット、ナンピン1回目0.02ロット、3回目0.03ロット、4回目0.04ロットと、0.01ロットづつ増えます。
面白いのがセカンドラインリカバリーと言うモードです。

簡単に説明すると、すべてのナンピンが失敗し、1回目のナンピンから値幅が100pips(RecoveryAfterのデフォルト設定値)以上、値が離れて、その後に強い反転パターンが検出されると倍のロットでエントリーをしてリカバリーするロジックになっています。
デフォルトの設定では2回までリカバリーを取ります。
マネーマネージメントやニュースフィルターなどを追加したGrid Master PRO 版も有り、こちらは$117で販売しています。
約4ヶ月間のフォワードテストの結果
今回は2020年1月9日~4月27日までのフォワードテストの結果になっています。
パラメータの設定など
資金は10万円
デフォルト設定との変更点
BetterPricePips(ナンピン間隔)を15→17
MaxNegAdds(最大ナンピン数)を3→5
FoceProfitを(利益幅)を20→25
残りの項目はデフォルトのままです。

検証結果
検証の結果、確定利益は87,775円となりました。

通常のグリッド取引と比べるとだいぶ良い収益にはなっていると思います。

ただ約4ヶ月程しかテストしていないので、これからの局面ではグリッド取引の弱点なども出てくるかもしれません。
しかし、この数ヶ月間の悪い相場の中、破綻もせずにやり過ごした事に、すこしびっくりしています。
BF GRID MASTER EAの感想
テストしてみた中で、良かった点と悪かった点を考えてみます。
良かった点
トラリピや他のグリッド取引と比べると含み損を持つ期間が短く、精神的に楽に運用ができます。
トラリピなどは含み損を必ず長期間抱えてしまうため、損切りなどをしない限り、運用の中止、変更がなかなかできません。
BF GRID MASTER EAは含み損を抱える場面が少ないので、途中でEAの運用をやめたり、運用期間の調整をしやすくなります。
固定ロットのグリッド取引ではないので、資金の増え方もトラリピなどよりはかなり良いです。
トリラピのように、一定間隔でポジションを取り続ける訳ではないので、含み損の増加もトリラピよりは緩やかになります。
同時期にリアル口座で稼働させていた有料のWallStreet FOREX Robot 5.0より成績が良かったです。
悪かった点
0.01ロットづつですが、ナンピンポジションが増えるたびにロットが増えると含み損が大きくなるので資金10万円以下での取引は難しいと思います。
テストの中でも、含み損が3万円程になった事がありました。
製作者も$1000から$3000を推奨しているので、ある程度資金が必要です。
今回のフォワードテストではセカンドラインリカバリーは発動しませんでしたが、セカンドラインリカバリーは倍のロットでエントリーするため、リカバリーが失敗した場合は一気に含み損が増えてしまう可能性が有ります。
MQL5.comでの評価
星が4.5/5なので、なかなかの高評価です。
バックテストでの運用結果はいかに・・・
フォワードテストだと期間が短かったのでバックテストをしてみました。
資産$1,000
パラメーターの設定はデフォルト設定での数値です。
期間は2018年1月1日から2020年4月28日です。
検証結果は
結果は$2,073プラスとなりました。


それでは少し検証してみましょう

グラフで見ると、1月~2月にかけて含み損が発生しています。
画像のチャートのタイムスケールは日足です。セカンドラインリカバリーが入っていますね。

上の画像は、5月~10月にかけて長い間含み損が発生しています。
セカンドラインリカバリーも2回発動して更に下落し、苦しい展開になってます。
リアルトレードだったら、私はポジションを解消してるかもしれない部分ですね。

上の画像は、1時間足で確認した画像です。
こちらも一度セカンドラインリカバリーが発生しています。
試してみたくなったら、MQL5.comに登録しよう
まずはMQL5.comにアクセスして無料登録をしましょう。

登録できましたら日本語の横にある虫眼鏡のアイコンをクリックし、BF GRID MASTER EAと入力しエンターを押せば初めに検索されると思います。

左のダウンロードをクリックすれば、インストール済みのMT4にインストールされます。
複数のMT4をインストールしている場合はインストールしたいMT4を立ち上げ、ターミナルを表示させます。
マーケットタブを開いてBF GRID MASTER EAを検索すれば検索できますのでクリックしてダウンロードしてください。

自動売買の運用環境を考える
MT4で自動売買を運用するためには、自宅のパソコンを24時間稼働させるかVPSを借りるかの2択になります。
私は自動売買の運用に、11インチのモバイルノートパソコンを使っています。
5年ほど前に買った、CPUがCore i3のノートパソコンですが、問題なく運用できています。
中古の安いノートパソコンを買って、省電力で運用するのも一つの選択幅です。
電気代を考慮してもノートPCでの運用が、VPSを借りるより少しコストを抑えられるようです。
ファンなどの雑音が気になる人は、MT4用にVPSを借りるのもいいと思います。
マンションなどの集合住宅の場合は、保守点検のために一時的にインターネット回線が2,3時間位、使えなくなる事があります。
近年では、自然災害による、不測の事態も多くなりましたので、安定して自動売買の運用ができるVPSの重要性は高まっています。
まとめ
今回は無料の自動売買ソフト、BF GRID MASTER EAを紹介させて頂きました。
グリッド系のEAは、右肩上がりで上昇していくのが気持ち良いです。
この手のマーチンゲール法に近い自動売買EAは好き嫌いが分かれるところですね。
しかも含み損をどのように乗り切るかが問題です。
バックテストでも分かるように、含み損を抱えると数ヶ月間くらい、耐えなければなりません。
テストでは良かったですが、状況によっては資産が飛んでしまう可能性も有りますからね。
なかなか難しいところです。